ちょっと話しをするね。

映画のこととか

영도 Shadow Island

2015年
監督 송승응 ソン・スンウン
出演 태인호 テ・イノ

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影島は、釜山から跳ね橋でつながっている小さな島。

韓国映画らしい、厳しい暮らしを生きている青年が、不条理な暴力を受けながら、友人と慰め合い、やはり苦しい女性とその子供にほんの少し心を開き、必死に生にしがみつき、裏切られ、絶望するお話。

感情を内に込めた寡黙な青年は、その肉体が傷ついたくらいでは殻は破れないけれど、ただ女性であるというだけで自身の身体を人質にされる女性たちや、翻弄される少年少女と等しく弱者で、ただ男性であると言うだけで暴力に晒される。叫んでもどうせ届かないから叫ばない。

どこからでも海が見える土地に住む暮らしは、広い世界と繋がっているというよりも、逃げ場のない閉塞感のほうが圧倒的なのかもしれない。

しかし苦しそうに、かわいそうに見える人間は本当に不幸だろうかというとそれは違うと思う。彼だけの大切な一瞬一瞬の価値を誰も見ていないだけだ。

この映画のようにまだ荒削りな作品の良いところは、作り手がどんな映画を作りたかったのか、生々しく見えるところ。あの映画やその映画のようなものを目指して、結果的に出来上がった形が楽しめる。

主演のテ・イノさんがよく脱ぐ。監督は大学の後輩で、どうしてもこの役を彼に演じてもらいたかったらしい。白く蝋のように冷たそうな肌は、冷たい海に浮かび、大きなクマのぬいぐるみもよく似合い、幼馴染の友人は我慢強い彼との距離をもどかしく感じていたように思える。

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